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タクシー運転手の年収は本当に低い?統計データから見る「本当の収入」の実態 令和7年賃金構造基本統計調査から読み解く賃金の実態と採用戦略(第1回)

タクシー運転手の平均年収は本当に低い?令和7年最新統計から分かった給料・賃金の実態
~令和7年賃金構造基本統計調査に基づくタクシードライバーの賃金実態(第1回)~

 

「タクシードライバーの年収は低い」というイメージを持っていませんか。

厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、タクシー運転者の年間賃金推計額は450万8,200円となり、前年から35万9,700円(8.7%)増加しました。これは全産業平均の伸び率(3.5%)を大きく上回る伸びです。

しかし、この平均年収だけを見て「タクシードライバーは給料が安い仕事」と判断するのは適切ではありません。

タクシー業界では歩合給制度を採用する事業者が多く、収入には大きな幅があります。そのため、平均年収だけでは実際の賃金水準や収入の可能性を正確に把握することはできません。

本記事では、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」をもとに、145職種との比較や賃金分布の特徴から、タクシードライバーの賃金の実態を分かりやすく解説します。


タクシー運転手の平均年収は450万円超に上昇

令和7年賃金構造基本統計調査によると、タクシー運転者の年間賃金推計額は450万8,200円となりました。
前年より35万9,700円(8.7%)増加しており、全産業平均の伸び率(3.5%)を大きく上回っています。

近年、タクシー業界では賃金改善が着実に進んでいます。




なぜ賃金が上昇しているのか?

背景には、次のような要因があります。

🚕地域別最低賃金の引上げ
🚕春闘などによるベースアップ
🚕運賃改定による売上増
🚕配車アプリ普及による営業効率の向上

これらの要因が重なり、タクシー業界全体で賃金水準の改善が進んでいます


平均年収だけで判断できない理由

確かに、タクシー運転者の年間賃金推計額は全産業平均(545万5,600円)を下回っています。
しかし、この数字だけで「低賃金」と結論づけることは適切ではありません。
その理由は、多くのタクシー事業者が歩合給制度を採用しているためです。
歩合給制度には、次のような特徴があります。

🚕売上に応じて収入が増える
🚕年齢や勤続年数に左右されにくい
🚕若年層でも高収入を目指せる
🚕高齢になっても成果次第で収入を維持できる
🚕一方で、低所得層も一定数存在する

つまり、タクシー業界は「全員が同じような給与水準」の仕事ではなく、成果によって収入に大きな差が生まれる業界なのです。


145職種との比較で見えてくる賃金の実態

本記事に掲載している145職種との比較グラフを見ると、タクシー運転者の賃金は所得階層によって順位が大きく変化していることが分かります。

下位所得層では順位が低い一方で、所得が高くなるにつれて順位は上昇し、上位層では他職種と比較しても決して低い水準ではありません。

つまり、タクシー業界は「平均年収が低い仕事」ではなく、低所得層から高所得層まで幅広い賃金分布を持つ『高分散型』の賃金構造となっています。

このような特徴は歩合給制度によるものであり、年功賃金を中心とする多くの産業とは異なる構造です。

そのため、平均年収だけではタクシー運転者の賃金実態を正確に評価することはできません。


高収入を実現しているドライバーも存在する

令和7年賃金構造基本統計調査を基に推計すると、年収900万円以上と推定される層も一定程度存在し、その割合は145職種中49位となっています。

これは、

🚕努力
🚕勤務形態
🚕営業力

などによって、他産業と比較しても高い収入を実現できる可能性があることを示しています。


 


第1回まとめ

タクシー業界は、

強み
🚕賃金改善が着実に進んでいる
🚕歩合給制度により高収入も目指せる
🚕若年層から高齢層まで成果に応じた収入が期待できる

課題
🚕下位所得層の底上げ
🚕平均年収だけでは業界の実態が伝わりにくい

タクシードライバーの賃金は、平均年収だけを見ると他産業より低く見えることがあります。しかし、145職種との比較や賃金分布全体を見ると、上位層では他産業と比較しても高い収入を実現している人が一定数存在することが分かります。

そのため、タクシー業界を評価する際には、平均年収だけでなく、歩合給制度による賃金構造の特徴も踏まえて見ることが重要です。



🚕⬇️第2回のコラム記事はこちら⬇️🚕
【第2回】20代で高収入も!60代でもタクシードライバーとして安定して稼げる理由とは?

🚕⬇️第3回のコラム記事はこちら⬇️🚕
【第3回】タクシードライバーは本当に稼げないのか 令和7年賃金構造基本統計調査から読み解く賃金の実態と採用戦略


執筆者:久富 康生(一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会 常務理事・元長野労働局長)
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