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東京のタクシードライバーの賃金は高いのか?

東京のタクシーは本当に稼げるのか?
―「年収1000万円」の現実と誤解を読み解く

タクシー運転手は高収入を狙える仕事なのか。 X Mile株式会社が2026年に実施した「クロスワークしごと白書」では、東京では「年収1000万円を狙えるか」という問いに対し、48.8%が「余裕で狙える」「がんばれば狙える」と回答しています。また、「月収100万円を超えた経験がある」と答えた人も41.2%にのぼりました。

回答者の少なさによる偏りを考慮する必要はありますが、1000万円超の賃金を現実的に見据えている者が相当数存在することが示されています。

ただし、実際に「平均して月収100万円以上」と答えた人は4.9%にとどまり、「狙える」という意識と実際の収入には一定の差があります。

公的統計と比較すると、この特徴はより明確です。国税庁「令和6年民間給与実態統計調査」では、全国かつ全産業での年収1000万円超の給与所得者は6.2%。一方、東京のタクシードライバーでは「月収60万円以上」が19.5%というデータもあり、高収入層の割合は一般労働者と同程度、あるいはやや高い可能性があります。比較対象が同じ東京ではない点には留意することが必要です。平均的な賃金水準では全産業との差が見られる一方で、一定以上の高額賃金層に限れば、決して見劣りしない水準にあることが示唆されます。

この背景にあるのが、タクシー業界特有の歩合給制度です。多くの会社では売上に応じて賃金が決まる「オール歩合」に近い仕組みが採用されており、固定給中心の職種と比べて収入の上振れ余地が大きい構造となっています。 言い換えれば、平均は高くないが、成果次第で大きく伸びる“分布の広い職業”です。もちろん、成果次第では低い賃金額にとどまるリスクもあり、重要なのは、タクシーが「誰でも高収入になれる仕事」ではなく、条件と努力次第で高収入に到達し得る仕事だという点を理解した上で、自分の働き方や志向に合っているかを見極めることが、タクシー業界でのキャリア選択において不可欠といえるでしょう。

全国タクシーJOBステーションでの各タクシー会社の求人情報では、賃金の上限額は平均的な賃金額をおおむねご記載いただいています。中にはこれに加えて最高額を記載している事業所もありますので、いろいろな会社の情報を確認していただくことは一つの有効な判断材料となると思われます。
【タクシー運転手】東京では約61%が月収100万円到達経験あり、約5割が年収1,000万円を狙える職業と回答。一方、全国的には約7割が月収40万円以下。ブルーカラービリオネア最前線の働き方177名調査 - クロスワーク・マガジン